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@hosi_mo

Ryosuke Nishida

テクニカルディレクター @ WFS
C++ / C# | Game Development

料理と相撲と風呂がすき

井川蒸溜所見学(前編) | 通行禁止ゲートのその先


日本で標高が一番高い、まさしく秘境と言える場所にある井川蒸溜所へ視察に行くことができた
静岡駅から車で4~5時間山を登ってようやく到着するらしい

早朝まだ暗い時間に起床し、ひかりに乗車し静岡駅へ向かう
朝7時に乗る新幹線はいつもより空気が澄んでいた。

IMG_0236.jpeg 穏やかなドライバーさん。お世話になります チャーターしたジャンボタクシーに乗り込み、静岡駅から安倍川沿いを北上する
視界には茶畑が広がり静岡らしい風景が続いていた。

ほどなくして、ドライバーからアナウンス
「ここが最後のコンビニです S__37183499_0.jpg まだ30分しか進んでないのに最後のコンビニ

4~5時間あるというのに、出発30分で最後のコンビニ。一体どんな山奥に我々は運ばれていくのだろう
中河内川沿いへと進路を変え、つづら折りの山道を登ってゆく。

標高が高くなるにつれ、木々のサイズが大きくなり道は薄暗くなる。茶畑はもう見当たらない IMG_0126.jpeg こんな山奥にバス、走ってるんだ

IMG_0125.jpeg 我々がいるのはまだ看板右下
トイレ休憩。深い山の谷に位置する横沢観光トイレは静寂に包まれていた。手洗い場の水が冷たい
看板の地図を見ると、我々がいるのはまだ右下だ。

かなりの奥地までそろそろ来たのではと思っていたが、まだ入り口にも到達していなかった

IMG_0129.jpeg 「右をみると大きな岩がありますよ IMG_0133.jpeg 「ここから景色がよくなります
峠を登り切り、横を見ると山々を見下ろせた。山を見下ろすということは、それ以上に高い山にいるということか
またしばらくつづら折りを進む。すれ違う車は工事車両がほとんどである。

急カーブで傾く身体を支えるのにそろそろ限界を感じてきた頃、 ようやく井川湖に到着する R0009432.jpeg 井川五郎ダム R0009436.jpeg 写真では伝わらない大きさ
ダムの水がエメラルドグリーンだ。山から流れる土砂の色なのだろうか。忽然と現れる巨大建築物に身震いする。

「そろそろ向かいましょうか

ikawa_dam.gif

我々が目指している場所はここからさらに先である
井川湖を回り込むようにさらに上流へ
大井川を遡上していく。

この道中、多くのダムや堰を通過してきた
ダムと堰の違いは高さによって区別され、貯水による発電や土砂の堰き止めなど色々な目的があるようだ


畑薙第二ダムを通過し、上流の畑薙第一ダムへ到達する。
ダムの脇の道を進むと一般車両通行禁止ゲートがある

井川社有林へ足を踏み入れる

「ここからはヘルメットを被ってください

このゲートの先は全て特種東海製紙グループの管理する井川社有林となる
我々が向かう井川蒸溜所は、特種東海製紙グループの十山株式会社による運営だ。
R0009449.jpeg この先は一般車両通行禁止

ジャンボタクシーを降り、十山株式会社の方の運転するデリカに乗り換える


車はゲートを通過する際にタイヤの清掃ゾーンに入る
植生を維持するため、外から種子を持ち込まない配慮からだ。


この森は特別である

大倉喜八郎が1895年に井川山林を取得し、後に特種東海製紙となる旧東海パルプを創業し
そこから100数十年、ただ1社がこの森を管理してきたのだ。

井川社有林は、くさび状に突出した静岡県の最北端、大井川の最上流部に位置した、東西の最広部約13km、南北約33kmの1団地で面積は約24,430ha。 https://www.tt-paper.co.jp/csr/environment/ikawa/about/

静岡県の上に伸びるヒレに似た部位が全て社有林

最低限の舗装がされた道を慎重に進んでいくと、やがて舗装がなくなり、落石がゴロゴロと転がっている箇所を通過する
ところどころ、工事中(と言うか土砂崩れの撤去)の場所を通過する

限られた時間(1時間程度)のみ通行可能となり、それ以外の時間は工事で通行が禁じられていた。

視界に入る橋の橋脚は土砂で埋まりほぼ見えなくなっている
山が崩れ、土砂が流れた結果である。

IMG_0172.jpeg 土砂で橋脚がほぼ埋まった橋

国道や県道での見慣れた道とはワイルドさが全く異なっている
ここは一般車両が迂闊に入ってくるとケガをすると直感で感じる。

R0009457.JPG 大井川源流の山崩れ

R0009459.jpeg ショベルカーとのサイズを比較

この山崩れは数百メートルにわたり上に伸びていると言う
R0009453.jpeg 土砂に埋もれた大井川にかかる吊り橋

IMG_0167.jpeg 風に煽られ足がすくむ


山からこぼれ落ちる大量の土砂を、大井川が下流に運ぶ
確かにこれだけの土砂が川に流れ込むのであれば、道中いくつものダムや堰を通過したことに納得がいく。

R0009466.jpg わさび田の跡を発見。先人が育てていたのかもしれない 上流へ車を走らせる

大井川のさらに上流は、のどかな流れとなっていた
横の斜面にわさび田を見つける。綺麗な水が流れる証だ。

そんな清流の谷間に、井川蒸溜所は存在した。

つづく